CHUWI Hi9 Pro詳細レビュー コスパ良好だが惜しい点も
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docomoのSIM利用で、SIMカードの認識や4Gの受信感度などで不具合が報告されています。ページ最下部にまとめましたのでご確認ください。
クラウドファンディング「Makuake」で出資していた、8.4インチのSIMフリータブレット「CHUWI Hi9 Pro」の日本仕様版が届いたので、早速レビューしていきます。
仕様
OS
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Android 8.0
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ディスプレイ
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8.4インチ 2560x1600 IPS
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SoC (CPU)
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MediaTek X23 (MT6797) 10コア
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メモリ (RAM)
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3GB
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ストレージ
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32GB eMMC
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バッテリー
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5000mAh
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ネットワーク
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4G (1, 3, 8, 18, 19…) / WiFi (2.4 & 5) / Bluetooth 4.1
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USB
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USB Type-C (2.0) PD非対応
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重量
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340g
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サイズ
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217.4 x 128.9 x 7.9 mm
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購入価格
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18,900円 (クラウドファンディング 早期割)
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デザイン
ボディー
シックなつや消しブラックのアルミボディーで質感は悪くありません。赤色の電源ボタンがいいアクセントになっています。
画面ベゼル
画面のベゼルは最近のガジェットとしてはやや太め。指紋センサー非搭載にもかかわらず、画面上下に1.5cmほどのベゼルがあります。また左右のベゼルもやや太めで、ここを削ればもう少し持ちやすくなりそうなので残念です。
左から、Xiaomi MiPad 4 Plus, CHUWI Hi9 Pro, Google Nexus 6P
厚み
Xiaomi MiPad 4 Plusと重ねてみるとこんな感じ(上:Hi9 Pro 下:MiPad 4 Plus)
十分薄いですね。
端子類
端子の配置は変則的で、本体の上側にUSB Type-C、3.5mm ステレオミニ、nano SIM & Micro SDカードスロットがついています。
本体下側の裏面には、モノラルスピーカーが1つと技適マーク。安心して4G通信を使えます。
ディスプレイ
ディスプレイ性能を測れる機器は持っていないため主観でのレビューになりますが、sRGB 100%、DCI-P3 95%のIPSディスプレイと見比べても、十分に綺麗に感じます。やや赤や黄色の発色が弱かったり、若干青みがかっていたりはしますが、見比べてやっと分かるレベルです。2万円のタブレットの液晶としては非常に良く、期待以上と言えるでしょう。解像度も2560x1600と高精細です。
なお照度センサーが非搭載のため、画面の明るさ調整は手動での設定となります。明るさ自体はとても明るく、30%ほどの明るさでも十分使えそうでした。
・・・と、画質に関しては大満足なんですが、1つ問題がありました。タッチパネルの感度です。
連打や長押しで頻繁に検出抜けが発生し、例えばキーボードで「google」とすばやく入力すると「gooe」となってしまうほか、リズムゲームの「バンドリ ガールズバンドパーティ」でもタップ抜けや長押しの判定切れが多発しました。
最初から貼り付けられていた画面保護フィルムが原因の可能性はあると思いますが、せっかく貼ってあったものを剥がしてしまうのもなぁ・・・と思い保留中です。だれか人柱が現れるのを待ちたいと思います(他力本願ですみません…)
パフォーマンス
CPU/GPU
これはまぁ18,900円のタブレットに求めてはいけませんが、予想よりはだいぶ良かったというのが正直な感想です。画面はカクカク、アプリは待っても待っても起動しない・・・みたいなのを予想していたら、案外ストレスなく使えます。
Antutuのスコアは 98574点で、私が使ったことがある端末だとNexus 6PとMi Pad 4 Plusの間くらいでした。
参考 Antutuスコア
- HUAWEI Mate 10 Pro (Kirin 970)
- 168868
- Xiaomi Mi Pad 4 Plus (Snapdragon 660)
- 143052
- Google Nexus 6P (Snapdragon 810)
- 77190
- HUAWEI MediaPad M3 Lite 10 (Snapdragon 435)
- 57631
それでもやはり、PC向けのWebサイトやGoogleマップのスクロールではカクつきますし、すべての操作でワンテンポ待たされるような気はします。でもストレスが溜まるほどかと言えばそうでもないし、値段を考えれば十分我慢できる遅さです。
バンドリをプレイしてみるとやはり厳しいと感じますが、カジュアルプレイなら十分可能な範囲です。(タッチパネルの問題は置いておくとして…)
メモリ (RAM)
メモリ(RAM)は3GBと控えめです。最近は6GBや8GBの製品も多いですしやや不安を感じます。少し使ってみたところ、空き容量は690MBと結構カツカツな様子です。
バッテリー
「思ったより減るな・・・」と思ったら、バッテリーは5000mAhでした。私が今メインで使っているスマホのMate 10 Proでも 4000mAh、10インチタブレットのMi Pad 4 Plusは 8620mAhなので少なめと言えるでしょう。まだ使い込んでいないのではっきりとは言えませんが、少なくとも1日は余裕で持ちます。1日仕事で持ち歩いてメール等で使用し夜寝る前に確認したところ、残量は53%になっていました。
サウンド
スピーカーはモノラルで、しかもついているのは背面です。音楽を鳴らしてみましたが、まあお察しの通りです。私はこのタブレットを仕事用のつもりで買ったので大きなマイナスポイントにはなりませんが、動画・音楽鑑賞に使いたいという方はちょっと考えたほうが良さそうです。Bluetoothスピーカーにつないだりイヤホンをすればいい話ですが、音質が良いに越したことはありませんから・・・。
ちなみにイヤホンジャックの音質は全く問題ありません。なんの癖もない、素直な音です。
ハードウェアの詳細
通信機能
4G/3G
対応バンドは
- 4G: 1, 3, 8, 18, 19, 21, 28, 41
- WCDMA:1, 8, 9, 11, 19
- CDMA:bc0, bc6
とのことで、docomo、au、SoftBank全てで主要な4Gバンド+プラチナバンドに対応します。
技適マークも確認できたことですし、日本通信「b-mobile S 190 PadSIM」(ソフトバンク版)を挿してみました。
全く問題ありませんね。「b-mobile S 190 PadSIM」は月額190円から利用できる格安SIMで、使用したデータ量に応じて料金が変わる段階プランが特徴です。通信速度もご覧の通りで非常に快適なので、SIMフリータブレットにおすすめの格安SIMです。
WiFi
11ac 433Mbpsでリンクし、安定して通信できています。
ストレージ
コスパモデルらしく32GBです。64GBのMicroSDカードを挿入し、KindleやPrimeVideoのダウンロード先をSDカードにしたので問題なく使えそうです。
下の画像は一通り使うアプリをインストールしたあとの状態です。
センサー類
GPS
問題なく使えましたが、やや感度が悪いように感じます。またQZSS(みちびき)には非対応でした。
その他センサー
こんな感じです。コストカットの影響が如実に現れていますね・・・。
気になるところだと
- 照度センサー非搭載 → 画面の自動輝度調整は不可
- 磁気センサー非搭載 → マップやナビを使う人は影響あり
の2点でしょうか。他のセンサーはあるに越したことはありませんが、特別なことをしないのであればあまり問題なさそうです。
その他
付属品
USB A to Cのケーブルと充電器がついてきました。充電器は5V 2Aのもので、本体側の対応も5V 2Aまでの様です。せっかくType-CなのにPD非対応は残念ですね。
システムアップデート
Androidバージョンは8.0.0、セキュリティーパッチは2018年10月5日のものでした。もうすぐAndroid 10が出ようとしている今日このごろで8.0かぁ…と思いますし、セキュリティーパッチはせめて四半期に1度くらいは当ててほしいところです。今後のアップデートに期待します。
シリコンケース
Makuakeの出資コース次第でついてきたシリコンケースをつけるとこんな感じ。だいぶ白っぽくなってしまい、せっかくのブラックなボディーが勿体無いと思います。またUSB Type-C端子の穴あけが小さく、カバーを付けたままだと充電することが出来ません。幸いケース柔らかい素材なので、端子部分だけカバーを外して充電できるものの面倒です。
こうした不満はあるものの、片手で持つにはシリコンのグリップが必須なので、ありがたく使わせていただきます。
まとめ
以上、クラウドファンディング Makuakeでゲットした、CHUWI Hi9 Proの詳細レビューでした。
全体的に見ると、18900円(早期割引)とは思えない予想を超える出来栄えで、とてもコスパに優れたタブレットだと感じます。タッチスクリーンの不具合、貧弱なスピーカー、息切れ感のするCPUなど不満点が無いわけではありませんが、競合するであろうHUAWEIの「MediaPad M5 lite 8 LTEモデル」が26000円以上することを考えれば、余裕で目をつむれます。
最近Androidタブレットはライナップが薄く、特に日本国内ではHUAWEIかNEC (=Lenovo) の2択状態となっていることもあり、CHUWIの次回作に大いに期待したいと思います。
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6/3, 6/10 追記 docomoのSIM認識に問題あり?
Makuake上で、docomoのSIMカードを入れた際
- 4G通信ができない
- SIMカード2枚だと通信できるが1枚だとできない
等の問題が多数報告されています。私はSoftBank系のSIM(b-mobile S 190 PadSIM)しか試していないため問題には遭遇していませんが、docomo系SIMでの使用を考えている方は今後のCHUWIの対応を注視する必要がありそうです。
CHUWI側も認識し調査を始めたようなので、何らかのアフターサポートは行われるものと思います。つい先日もASUSが「ZenFone Max Pro (M2)」で、docomo・auのプラチナバンドに対応しない海外仕様版を販売してしまいリコールする騒ぎがありましたが、同じようなことが起きたのかもしれません・・・。
6/10
CHUWI側から今後の対応方針が発表されました。詳細はMakuakeの活動報告ページでご確認ください。
docomo系SIMカードの問題に関しては、以下のように説明されています。
また、多く頂いているSIMカードの件につきましては、原因調査中ではございますが、Docomoユーザーに多く見られることが判明しております。急ぎ解決方法の検討を進めており、より完全にAPNを網羅したアップグレード版のソフトウェアパッケージを、取り急ぎ準備しておりますので、検査をクリアした後、来週最新結果をご報告する予定です。
現時点でははっきりしていないようですが、ハードウェアの問題ではなく、ソフトウェア側で対応できるとの見解のようです。今後の調査を待ちたいと思います。
他にも寄せられている問題に対してQ&Aがまとめられており、製品に問題がある場合は無条件で新品と交換するとしています。
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