SSD2台を合体させて「記憶域」を作成する【Windows 10 Pro 1809】
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前回の記事では、M.2 SSDの増設を行いました。
しかし、それによって私のPCに接続されたドライブは
- SSD ×4台
- HDD ×4台
- ネットワークドライブ ×3台
の合計11台となり、さすがにどのドライブに何が入っているか、管理しきれなくなってきました。
そこで今回使ってみたいのが、「記憶域」もしくは「記憶域プール」などと呼ばれているWindowsの機能です。
記憶域の回復性モード
詳しくは下記のブログ等を参照していただくとして簡単に説明すると、複数(容量はバラバラでもOK)のドライブを束ねて仮想ドライブを作成する、とても便利な機能です。ドライブの運用モードには、主に以下の3つがあります。
モード
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使用可能容量
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耐障害性
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スピード
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必要台数
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シンプル(ストライピング)
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大
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悪い
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やや速い
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2台~
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ミラー(双方向、3方向)
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小
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良い
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普通
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2台~
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パリティ
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中
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良い
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遅い
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3台~
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技術的にはRAIDを発展させたようなイメージで、シンプルが RAID 0、ミラーが RAID 1、パリティが RAID 5と言えば、RAIDがわかる方にはしっくり来るでしょう。
RAIDと比べると
- 少ない台数から始めて自由に拡張していける
- ドライブごとの容量を揃えなくても、Windowsがよしなにしてくれる
- 他PCへの移行が簡単で、マザーボードやRAIDカード破損時の心配がない
- 高価なRAID 5対応カードがなくてもパリティ分散ができる(ただし遅い)
などの利点があるようです。
参考
記憶域スペース/記憶域プール、まだ使っていないの?
https://satsumahomeserver.com/blog/75515
記憶域スペース
https://satsumahomeserver.com/home/page-1807
シンプル(回復性なし)モードの記憶域を作成する
今回は、前記事で追加したSSD (WD Blue 500GB) と、以前から使用しているSSD (Crucial MX500 525GB) で記憶域を作成します。ゲームのインストールや一時ファイルの保管など、データが消えても問題ない用途に使うため、回復性の種類は「シンプル」を選びます。
2台で容量が微妙に異なるため、従来のRAID 0であれば多い方の25GBが無駄になってしまいますが、記憶域を使うことで 500GB + 525GB = 1025GB をまるまる使用することが可能です。なお、データがどのように分散して保存されるかはWindowsにお任せすることになります。
下準備
まずディスクの管理を開き、記憶域プールとして使用するドライブのボリュームを削除します。そのドライブのデータは完全に消えるので、必要なデータを対比させることを忘れないでください。
2つのドライブの用意ができました。念の為Windowsを再起動しておきましょう。
記憶域プールの作成
コントロールパネル→システムとセキュリティ→記憶域 を開き「新しいプールと記憶域の作成」をクリックします。
使用するドライブを選択して「プールの作成」をクリックします。
記憶域の作成
記憶域プールが作成できたら、次はその中に作成する記憶域(=仮想ドライブ)を作成します。
わかりやすい名前をつけてドライブ文字を選び、回復の種類はシンプル(回復なし)を選びます。
「記憶域の作成」をクリックすると、無事ドライブが作成されました。
エクスプローラーでも2TBのドライブが表示されました。(少し使用した後の画像です)
気になるアクセス速度を測ってみる
もともと高速なSSDで作成した記憶域ですが、はたしてどうでしょうか。
Crystal Disk Markの結果を、記憶域化した前と後で比べてみます。
Before (WD Blue)
Before (Crucial MX500)
After (記憶域:シンプル)
うん・・・?
ブロックサイズ4KiBのシーケンシャルアクセス (4KiB Q8T8) は大きく伸びていますが、その他はあまり変わらなかったり若干下がったりしていますね。
今回作成した「回復性:シンプル」の記憶域は、RAID 0とは違って完全なストライピングでは無いのが原因でしょう。ドライブ分散を基本としながらも、Windowsが分散の必要が無いと判断したアクセスは分散されなかったり、ドライブ寿命を均等に消耗するため、新品のSSDに重点的に書き込んだりしているのかもしれません。(あくまで予想ですが)
お得に便利に高速化・・・という希望はかないませんでしたが、増え続ける一方であるドライブ管理の問題を解決するという、一番の目標は達成することができました。
障害対策はしっかりと
今回使用した記憶域モードの「シンプル(回復性なし)」ですが、回復性が無いばかりか、記憶域プールを構成するドライブのどれか1台が壊れただけで記憶域全体のデータが消えるという、使い方を誤れば非常に恐ろしいモードです。
間違っても消えては困る重要なデータを保存してはいけませんし、SSDと比べて故障率の高いHDDで使用することもおすすめできません。
またSSDでも絶対に壊れない保証などなく、むしろどれだけの使用(書き込み)まで耐えられるか、メーカー仕様で公開されているものがほとんどです。そのためシンプル記憶域などの通常よりリスクが高い運用をするならば、適切な監視をするのが望ましいと言えるでしょう。
各メーカーごとにSSDの健康状態を表示・管理するソフトが配布されているので、インストールして定期的にチェックするように気をつけましょう。
ソフトウェアおよびファームウェアのダウンロード | WD サポート https://support.wdc.com/downloads.aspx?p=279&lang=jp
Crucial Storage Executive、SSD高速化にする無料ソフト | Crucial Japanhttps://www.crucial.jp/jpn/ja/support-storage-executive
インテル® SSD Toolbox 用のダウンロードhttps://downloadcenter.intel.com/ja/product/80096
SSD ツール&ソフトウェア | タイプ別 Download | サポート | Samsung Semiconductor Global Websitehttps://www.samsung.com/semiconductor/minisite/jp/support/tools/
まとめ
思ったより速度が上がらなかったことは残念でしたが、何より以前から気になっていたWindowsの「記憶域」機能を試すことができて満足です(笑)
今後1年以内をめどに自宅サーバーに記憶域を構成して、大容量かつ安全なファイルサーバーを作ることを企んでいます。今回は紹介しませんでしたが、PowerShellでのコマンド操作やHyper-V Serverなどを使うことで、更に高度なモードの記憶域を作成できるようなので、今後も情報を集めていきたいと思います。
とても手軽に始めることができるので、皆さんも是非試してみてはいかがでしょうか。
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