新iPad Airが発売!でもほしいのはこれじゃない・・・


不意打ち的に来ましたね!iPad Airの復活です!

iPhone XSなどに搭載のApple A12 Bionicを採用し、今風のスリムなベゼルやApple Pencilにも対応した4年ぶりのiPad Airです。

でもちょっと待ってください。手放しでは喜べなさそうです・・・。

一番の問題点

現行の無印 iPad (2018) が発表されたのは、1年前の2018年3月28日。1世代前の iPad (2017) は2017年3月24日です。あれ、iPad (2019) はどこに…?

今回のiPad Air発売は、iPad Pro 10.5 (2017) の後継モデルと考えれば、大幅値下げのグッドニュースです。しかし、iPad (2018) の後継としてみた場合、一般ユーザーにはオーバスペックなCPUを搭載し、大幅に値上げというバッドニュースになってしまいます。

※ Apple Store価格(いずれも税込み)
  • iPad (2018):40,824円
  • iPad Air (2019):59,184円
  • iPad Pro 10.5 (2017):75,384円

ユーザーが本当に欲しかったのは、iPad (2018) からお値段据え置きでA11チップを搭載し、ベゼルがスリムになったiPad (2019) だったのではないでしょうか。

今回 iPad Air が発売されたことで、無印 iPad シリーズは一旦終息となるでしょう。(Appleが iPad Air と競合する無印 iPad を出すとは思えないので)
Appleが去年、4万円で十分使える無印 iPad を出したとき、あのボッタクリAppleがこの値段で!と驚いたものです。私の周りのAndroid派ガジェット好き達も盛り上がり、実際数人が購入しました。

しかし、それは続きませんでした。

他にも残念な点が

クリエイター向けの機能である、USB-Cや120Hz+広色域のディスプレイを搭載しないのは、iPad Proとの差別化のため当然だと思います。しかし、一般ユーザーにも需要が高い、クアッドスピーカーが非搭載なのはとても残念なポイントです。

iPadシリーズやiPad Airシリーズは、本体を縦にしたときの下側にしかスピーカーが搭載されていません。これでは本体を横にして動画を見たり、ゲームをしたりするときに音源が片側に偏ってしまい、とても不自然に聞こえます。

後で紹介するライバルのAndroidタブレット勢は、安価なモデルでも横画面で自然に聞こえるステレオスピーカーや、クアッドスピーカーを搭載しているものがほとんどです。コンテンツ消費用タブレットにとって音はとても重要なファクターで、頑なにクアッドスピーカーをロー&ミドルレンジ製品に降ろさないAppleの方針には、疑問を感じます。


結局、誰向けの製品なのか

  • 無印 iPad の時代遅れなベゼルが我慢ならないけど iPad Pro はさすがに高い、Androidも嫌という人
  • いいものを長く使いたいけど iPad Proはさすがに(以下略)
あたりでしょうか…。私のように新製品が出るたびに欲しくなってしまう人は、ターゲットではないのかもしれません。
SmartKeyboard対応というセールスポイントもあるようですが、そもそもiOSでテキストライティングしたいしたい層って...?

強力なライバルたち

最近勢いのないAndroidタブレット勢も、魅力的な製品を出しています。いずれもCPU性能はiPad Airに大きく劣りますが、ユーザーのニーズをしっかり捉えて、不要なコストをカットしていると言えるでしょう。ディスプレイやメモリ、ストレージなどは iPad Airと同等か上回るものを搭載しており、一般ユーザーがコンテンツ消費に使うタブレットとして、十分魅力的な製品になっていると感じます。

NEC LAVIE Tab E

参考価格 36,730円
  • CPU:Snapdragon 450
  • メモリ:4GB
  • ストレージ:64GB
  • ディスプレイ:10.1インチ 1920 x 1200 IPS
  • 重量:440g
  • コネクター:USB Type-C
  • スピーカー:クアッドスピーカー
  • ペン:非対応

HUAWEI MediaPad M5 Pro

参考価格 51,095円
  • CPU:Kirin 960
  • メモリ:4GB
  • ストレージ:64GB
  • ディスプレイ:10.8インチ 2560 x 1600 有機EL
  • 重量:500g
  • コネクター:USB Type-C
  • スピーカー:クアッドスピーカー
  • ペン:対応(付属)

HUAWEI MediaPad M5 Lite

参考価格 35,480円
  • CPU:Kirin 659
  • メモリ:4GB
  • ストレージ:64GB
  • ディスプレイ:10.1インチ 1920 x 1200 IPS
  • 重量:480g
  • コネクター:USB Type-C
  • スピーカー:クアッドスピーカー
  • ペン:対応(付属)

Samsung Galaxy Tab S4(日本未発売)

参考価格 61,188円
  • CPU:Snapdragon 835
  • メモリ:4GB
  • ストレージ:64GB / 256GB
  • ディスプレイ:10.5インチ 2560 x 1600 有機EL
  • 重量:482g
  • コネクター:USB Type-C
  • スピーカー:クアッドスピーカー
  • ペン:対応(付属)

Samsung Galaxy Tab S5e(日本未発売)

参考価格 44,500円
  • CPU:Snapdragon 670
  • メモリ:4GB / 6GB
  • ストレージ:64GB / 128GB
  • ディスプレイ:10.5インチ 2560 x 1600 有機EL
  • 重量:400g
  • コネクター:USB Type-C
  • スピーカー:クアッドスピーカー
  • ペン:非対応


「いいラインナップでしょう?余裕のラインナップだ、メーカー数が違いますよ。一番気に入っているのは・・・」
「何です?」
「値段だ」


まとめ

Good
  • 高性能なApple A12 Bionic搭載タブレットが、最安 5.9万円~で手に入る
  • iPad Pro 10.5 (2017) の後継と捉えればお買い得
Bad
  • iPad (2018) の後継モデルが出てくる可能性が大幅ダウン
  • iPad (2018) の後継とすれば、大幅な値上げ
  • 一般ユーザーの主な用途である、Web・動画・写真・電子書籍などの閲覧やゲームにはオーバースペック
  • コンテンツ消費用タブレットとして不可解なスピーカ配置


一般ユーザーのAndroid派は Huawei MediaPad か NEC LAVIE Tab、iOS派は無印 iPad を買えば、十分ニーズを満たせるでしょう。クリエイターはケチらずに iPad Pro や Surface Pro を買うべきで、となると iPad Air は・・・誰が買うんでしょうね?

厳しいことをたくさん書きましたが、今回の iPad Air がガジェット好きに刺さる、優れた「製品」であることは間違いありません。でも「商品」として見たときに、なんだか違和感を覚えます。そしてその違和感の原因は、やはり1年前に私達を興奮させてくれた、4万円の iPad (2018) でしょう。

Appleさん!4万円でA11搭載で、イケてるベゼルの iPad、出してください…!

コメント